先日、私が働いているカフェで、ひとつのピアノコンサートが開催されました。
演奏してくれたのは、「耳コピピアノ Yuina」として活動している、ゆいなちゃん。
今回のコンサートは、最初からカフェで開催する予定だったわけではありません。振り返ってみると、ひとつのSNSでの出会いから始まり、少しずつ人と人との縁が繋がって実現したコンサートでした。そして当日には、音楽を通して以前出会った方との嬉しい再会までありました。
今回は、そんな「音楽が繋げてくれた縁」について書いてみたいと思います。
SNSから始まったひとつのご縁
ゆいなちゃんのお母さんと私が最初に繋がったのはSNSでした。ありがたいことに交流するようになり、ある時、
「あやちぃさんが働いているカフェに、一度行ってみたい!」
と言ってくださったことがきっかけで、本当に私の働くカフェまで足を運んでくださいました。
その時、お母さんとカフェの店長が話をする中で、ゆいなちゃんがピアノを通してさまざまな活動をしているという話になりました。すると店長から、
「ぜひ、うちのカフェでもゆいなちゃんのコンサートをやってください」
という話が。そこから話が進み、8月11日、本当に私の働くカフェで、ゆいなちゃんのピアノコンサートが開催されることになったのです。
SNSでの何気ない出会いから、まさかこんな形にまで繋がっていくとは、最初は想像もしていませんでした。
音楽を通して社会活動を続ける親子
ゆいなちゃんは、病院や高齢者施設、地域イベントなどでピアノを演奏し、音楽を届ける活動を続けています。テレビや新聞などでも紹介されていて、実は私もお母さんとSNSで繋がる以前から、東海地方のニュースでゆいなちゃんのことを見たことがありました。
そして、お母さん自身も社会活動をされています。長男さんの1型糖尿病発症をきっかけに、2023年に「1型糖尿病児の母の会@岐阜」を立ち上げ、患者交流会や学校・企業での講演、啓発イベント、行政への要望活動など、さまざまな活動を続けています。
1型糖尿病は、見た目だけでは分かりにくい病気です。だからこそ、その裏側にある日々の努力を知ってもらいたい。お母さんは「見えない努力を、見える優しさに。」という想いを大切にしながら、活動を続けています。
最近では、音楽を通して人と人を繋ぎ、応援する企画にも取り組んでいるそうです。そんな活動を知れば知るほど、今回私の働くカフェで開催されたコンサートも、単なるピアノ演奏会ではなく、音楽を通して人と人が繋がる時間だったように感じます。
3歳の頃から始まった「耳コピピアノ」
ゆいなちゃんの演奏には、もうひとつとても興味深いエピソードがあります。
以前ニュースで紹介されていた時、お母さんが話していたのですが、ゆいなちゃんがお腹の中にいた頃、クラシックなどの音楽をよく聴いていたそうです。それが影響しているのか、それとも生まれ持ったものなのかは分かりません。ただ、ゆいなちゃんが3歳の頃、お母さんがピアノの鍵盤に触れさせてみると、耳で覚えていた曲を弾いたそうです。そこから、耳で聴いた曲を次々とピアノで演奏するようになったのだとか。
驚くことに、お母さん自身は、
「私は全くピアノが弾けないんです」
と話していました。音楽一家で幼い頃から英才教育を受けていた、というわけではないところも、とても興味深く感じます。
現在のゆいなちゃんは、ポップスを中心にさまざまなジャンルを演奏します。中でも昭和歌謡を弾くことも多いそうで、若い方から年配の方まで、幅広い世代が楽しめるのも魅力のひとつ。
15歳の中学生が昭和の名曲をピアノで奏でる。世代が違っても、知っている曲が流れれば同じ場所で一緒に楽しむことができる。これもまた、音楽の素敵なところなのかもしれません。
心に残った、お母さんとの「アイノカタチ」
コンサート当日は、私もカフェで仕事をしながら、ゆいなちゃんの演奏を聴くことができました。その中でも特に心に残ったのが、MISIAさんの「アイノカタチ」。この曲は、なんとお母さんとの連弾でした。
普段はピアノを弾かないというお母さん。この日のために、一生懸命練習を頑張ったそうです。そんなお母さんとゆいなちゃんが、並んでひとつのピアノに向かい、一緒に一曲を奏でる姿。演奏そのものはもちろんですが、そこに至るまでの親子の時間を想像すると、より心に残る一曲になりました。
坂本九さんの「心の瞳」
もう一曲、特に印象に残ったのが、坂本九さんの「心の瞳」です。
コンサートが開催されたのは8月11日。そして翌日の8月12日は、坂本九さんの命日でした。コンサートで聴いたばかりの「心の瞳」を、翌日の命日に思い返したことにも、不思議な巡り合わせを感じました。
音楽は、その場で聴いて終わるものではなく、思い出や人の記憶と結びつきながら、後になってふと心の中によみがえるものなのかもしれません。
音楽が繋げてくれた、もうひとつの再会
そして今回のコンサートでは、思いがけない嬉しい出来事もありました。コンサートを聴きに来ていたお客さんの中に、以前ストリートピアノを通して知り合った「お米さん」がいたのです。
お米さんとは、いろいろなストリートピアノのイベントへ足を運ぶ中で知り合い、少しずつ交流が広がっていきました。けれど最近の私は、家庭のことや、新しく始めたブログ活動などもあり、以前のようにピアノを練習する時間をなかなか作れなくなっています。それに伴って、ストリートピアノのイベントへ出かける機会も減り、お米さんともなかなか会えずにいました。
だからこそ、昨日のコンサートで久しぶりに会えたことが、本当に嬉しかった。考えてみれば、お米さんと出会ったきっかけもピアノ。そして今回、再会するきっかけになったのもピアノでした。
音楽が繋いでくれた縁
SNSがなければ、ゆいなちゃんのお母さんとは出会っていなかったかもしれません。お母さんが私の働くカフェに来てくださらなければ、店長との出会いもなかった。店長との会話がなければ、今回のコンサートも実現していなかったかもしれません。そして、そのコンサートがなければ、お米さんとも久しぶりに再会できなかったかもしれない。
ひとつの小さな出会いから、次の出会いへ。気がつけば、その真ん中にはいつも「音楽」がありました。
最近は、以前ほどピアノを弾く時間が取れていません。それでも今回の出来事を通して、改めて思いました。自分でピアノを弾くことだけが、音楽との関わり方ではない。誰かの演奏を聴いて心を動かされたり、音楽を通して誰かと出会ったり、久しぶりの人と再会したり。そんな時間も、私にとって大切な音楽の時間なのだと思います。
音楽には、人と人を繋ぐ力がある。今回のコンサートを通して、そんなことを改めて感じた一日でした。


コメント